比較・最終章(11巻)

(27)弔いの月を待つ

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地柱となるための 地柱とするための
先祖 父祖(おや)
誓(うけ)いますから 誓(ちか)いますから

 

(28)祈りに似ている

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身内で眠っていた何かが 身内で眠っていたものが
苦痛 痛み
洩れないのだろうか 洩らさないのだろうか
剥きだし むきだし

 

(29)火箭を射つ

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忌火(いみび) 忌火(いわいび)
のり越える のり越えうる
この男はついに、知ることはないだろう この男はついに知ることはないだろう
現世(うつしよ) 現世(うつつ)
攫われたとき さらわれたとき
何日かして、真秀が王宮に、わたしを連れに来てくれたの。 ほんとうのことをいうと、わたし、真秀の霊力が怖いほどだった。でも、わたしを王宮から連れ出してくれて……
悲しくて…… 悲しくて……。
酷(むご)い 酷(ひど)い
身罷りました 御影も身罷りました

 

(30)黒い川 嵐の海

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  そうしたら楽になるって。

 

(31)暁に甦る

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闇夜はいつか開け、 闇夜はいつか明け、
殯屋にごく近い地面 殯屋にごく近い処
あの夢の裏 あの夢の真裏
速穂児はいった。 速穂児がいった。
おまえが異変(おか)しいと…… おまえが異変(おか)しいと叫ぶ声が……
  ――あたしの霊力のすべてを佐保に捧げる。この山の火を消してくれたら!
いいかけて速穂児が顔色を変えるのを、 いいかけた速穂児がさっと顔色を変えるのを、
領土(くに)
ふたりの兄と妹は、 妹兄(いもせ)のふたりは、
矢をつがえる真秀を見て呻(うめ)き声をあげた。 矢をつがえる真秀を見て、彼は呻(うめ)き声をあげた。
ただちに王宮を退(さ)がらねばならない。 美知主もただちに王宮を退(さ)がらねばならない。
庶女(むすめ)